新会長就任あいさつ
学会の発展に向けて初心忘るべからず
東北農業経済学会会長
伊藤房雄(東北大学)
第54回東北農業経済学会秋田大会(2018年8月)の理事会にて会長を仰せつかりました。これから2年間、東北農業経済学会の発展に向けて鋭意努力して参りますので、会員の皆様のご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い致します。
想い返すと1991年4月に東北大学農学部農業経営学講座助手に着任後まもなく、先任助手の秋山先生(宇都宮大学)から、「ここの研究室の助手二人が東北農業経済学会の事務局をすることになっているから…」と言われ、それから約8年なんの疑問も持たずに会員と会費の管理をはじめ、学会誌の編集や学術会議への団体登録に向けた組織改革、等々を担当しました。学会事務量の増大に伴い現在は、多くの理事に学会誌担当、学会賞担当、企画担当、総務担当、会員及び会計担当、電子ジャーナル担当、広報・ウェブサイト担当を担っていただき事務局機能は分散しておりますが、当時はそのような発想も浮かばず、毎年大会開催前にはてんやわんやの大騒ぎをしていたように思います。ただ、そのことで各県の大会実行委員の方々と知己の間柄となり、そのことがその後の私のフィールド研究を進めていく上で大きな財産になったことは間違いありません。その意味で、今回会長をお引き受けするにあたり、東北農業経済学会への感謝とともに微力ながら恩返しをせねばという想いを感じております。
さて、ここで改めて述べるまでもなく、東北農業経済学会は設立当初から、「東北農業をいかにして発展させるか」という実践的課題を、研究者のみならず行政や農協などの関係機関・関係団体、農業経営者、ジャーナリストらのみなさんと共有し、議論する「場」として展開してきました。これまでの大会シンポジウムのテーマ一覧を眺めると、その姿勢が今日なお貫かれていることがわかります。しかし近年、大会参加者の中に農業経営者や農業を実践している方々の姿が少なくなっているように感じております。「農学が栄えて農業が滅ぶ」ことなどは決してあってはなりません。いつの時代でも農業問題の解決には「現場の声」が必要不可欠です。そこで角田副会長(企画担当)に、東北の農業・農村の現場と会員、特に若手会員をつなぐ企画の立案と実施をお願いしました。
この他に、学会誌『農村経済研究』への投稿が年々増加しておりますが、そこでは論文の「品質の向上」を怠ってはなりません。この点については経験豊かな鵜川副会長(学会誌担当)に一任しております。学会賞の充実についても同様です。こちらについては宮路副会長(学会賞担当)に一任しております。さらに、各担当理事の負担を軽減するとともにより効率的で機能的な学会運営のあり方は不断の検討事項です。こちらについては中村総務担当理事に検討をお願いしました。
最後に、各担当副会長らに気持ち良く業務を進めていただく環境づくりも会長の役割の一つと認識しております。東北農業経済学会のミッションを遂行していくとともに、さらなる発展に向けて、会員のみなさまのご理解とご協力を賜れますようお願い申し上げます。